北原亞以子『東京駅物語』   

自分の知っている地名や、馴染みのある場所が本の中に出てくると
その話がとても身近に感じたり、より一層リアルなものになってきます。

北原亞以子『東京駅物語』新潮文庫
9コの短編が、微妙な形で絡み合います。「グランドホテル形式」というのですね。
初めは明治維新直後のお話。読み進めていく内に時代はどんどん進んで
東京駅の建設に関わったある男性が戦争から帰ってきたり・・・。
一番気に入ったのは第二話の「待合室」。
自由恋愛を求めて東京に来た女性が、人気のない待合室で田舎に帰る決心が
つかずに、悩んでいるシーンが印象的でした。

「駅」って所は色々なドラマがるな、と常々思うのですが
この本では常に東京駅が話の出発点であり終着でもあるのです。
この話が様々な時代を描いているのと同時に、東京駅は沢山のドラマを
見守り続けたのかと思うと、あの赤煉瓦がとっても愛おしくなりました。
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by usayamama | 2007-09-08 23:18 | 読書

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