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山崎豊子『大地の子』   

久しぶりに漢字が多くて、重厚な長編を読みました。

山崎豊子『大地の子/上・中・下』文藝春秋
文化大革命まっ只中の中国。ここからこの長い話は始まります。
主人公の陸一心は幼い頃に開拓団として家族と共に、長野から中国大陸に渡ってきます。過酷な逃避行、敗戦、虐殺という中で生き延びたものの、妹とは生き別れとなり、ついには売られている所を養父に助けられます。
養父母に大切に育てられながらも、日本人という事であらゆる差別を受けます。文革時代にもスパイの容疑で大変な苦労をします。養父は命懸けで一心の疑いを晴らす事に奔走します。
実父との意外な形での再会・・・。一気に読んでしまいました。

この本を読みながら、脳裏に浮かんできた記憶があります。
幼い頃、幾度もテレビで見かけた「中国残留日本人孤児」の日本での肉親探しの様子。
テレビで呼びかけている姿は、幼い私も只ならぬ気配を感じたものです。
今では当時のように取り上げる事もあまりなくなりましたが
戦後62年、今でも同じような境遇の方はいらっしゃるのです。

by usayamama | 2007-09-03 22:18 | 読書

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